東京に暮らす私が
ファジアーノ岡山という、岡山県のサッカーチームを応援するようになったのにはいくつかの理由がある。
まず、夫の故郷が岡山県だったこと。
つぎに、夫の実家に帰った時、たまたまファジアーノ岡山のホーム戦があったこと。
夫に付き合っての初観戦は2015年の夏だった。
当時の私は、サッカーはおもしろいスポーツと思ってはいたものの、自ら積極的に見るほどではなかった。
なにせ、20年前から私の生活の基盤は米倉利紀だから笑
初めて見た試合は、東京ヴェルディとだったと思う。ファジアーノは大差で負けた。
サッカー素人の私でも知っているヴェルディとの試合だし仕方ないのかしら。と思ったのと、岡山県にもサッカーチームがある事を知ったくらいで、その時は終わった。
翌2016年のある日。
夫が、前に試合を見に行った岡山のサッカーチームがすげぇことになっていると、テンション高めに話した。
その年の秋口、ファジアーノの戦績は絶好調でJ1に昇格できるかもしれないところに来ていたのだ。
これはもう、昇格できるか否かが決まる試合を是非見たい!
しかも好都合なことに、近所のバールで試合が中継されたのだ。私たちは張り切ってファジアーノを応援しに行った。
勝ったらJ1に行ける。それってものすごいこと。細かいルールとかフォーメーションがなんだとか、よくわかっていない私でも、それくらいのことはわかっていた。
だから、あんなにもドキドキした試合は、これまでに味わった事がなかった。
善戦むなしくファジアーノは負けてしまった。
あと少しだったのに。
選手みんなが全力で頑張ったのに。
その年、ファジアーノの試合はその一戦しか見ていないのに、岡山県民でもないのに、なぜだかものすごく悔しくて悲しかった。
そして私たちは、すっかりファジアーノ岡山のファンになった。
家でも見られるようにDAZNを契約した2017年からは全試合を見ている。
東京や神奈川、千葉など関東の試合はスタジアムに見に行って応援する。
ここ2シーズンはいずれも、残念な結果に終わってしまったけれど、少しずつ選手を知り、マスコットキャラクターのファジ丸にハマり、そうやってどんどんファジアーノ岡山のファンになっている。
最近思ったのだけど、ファジアーノの選手たちは、とにかく人柄のよい人ばかり。
たとえば、
仲間隼人 常に全力だから応援したくなる
赤嶺真吾 真面目な熱血漢
上田康太 見た目もサッカー技術もイケメン
一森純 ゴールキックの精度が天才的
そして、長澤徹監督。
サポーターの間では賛否両論あったけれど、ファジアーノを率いた数年、どんな苦境に立たされようとも絶対に言い訳やマイナス発言をしない長澤監督の存在も、ファジアーノを好きになった理由の一つだった。
昨シーズンの横浜FC戦。
ファジアーノの負け=J1へ行けない事が決まった瞬間、長澤監督がその場にしゃがみこみ、芝生を何度も殴りつけた。
そんな、らしくない姿を見たのは初めてだった。とても驚いたし、その行動に猛烈な違和感を感じた。
長澤監督の退任を知った時、ようやく意味がわかった。
きっと色々あったことでしょう。辛さも苦しさも歯がゆさも全部飲み込んで責任を負って戦った長澤監督にお疲れ様でしたと言いたい。
このシーズンは、監督だけでなく、伊藤大介や塚川孝輝など馴染みのある選手がチームを去ってしまい、寂しいような切ないような、そんな気持ちになった。
ーもうすぐ、新しい年が始まる。
また、たくさんドキドキワクワクしながらファジアーノ岡山を見守っていくのが楽しみで仕方ない。