思い返すと仲間隼斗は、私が初めて握手をしてもらったサッカー選手だった。
これまで何人かの有名人と握手をした事があるけれど、汗にまみれたあの手のひらはたぶん一生忘れないと思う。懐かしい思い出(笑)
彼はいつも『一番最初』だった。
政田練習で選手みんなでランニングをする時。
試合前のウォームアップで芝生に駆け出す時。
ペアになってジャンプしてから走る時。
スタメン選手が写真を撮り終えた後。
後半が始まって出てくる時。
いつもいつも、彼は必ずと言っていいほど誰よりも先に走り出す。全力で。
「俺がファジアーノで一番になる」という覚悟が彼からは常に感じられたように思う。
しかし彼は、ゴールを決めた瞬間、目を輝かせてまるで生まれて初めてゴールしたサッカー少年かのように弾ける笑顔を見せるのだ。
そんな彼の姿にどんどんひきこまれていった。数少ないアウェイ戦を見に行く時、全力で全身全霊でサッカーに取り組む仲間隼斗の姿を見るのがいつも楽しみだった。
スタジアムに向かいながら、仲間は今日もゴールするかなってわくわくした。
そして今年、彼はサポーターの期待にもきちんと応えてくれた。
彼のポジションはMFのはずなのに、FWもやって年間15得点を決め、本職のMFではもちろん最高のプレーを連発し、さらにはDFまでやっていた。
仲間隼斗が私たち夫婦にもたらしたものは大きかった、
「仲間がベストゴールに選ばれたよ」だとか
「あいつはなぁ本当すごいよなぁ」だとか
「仲間がね、仲間がね」って何度彼の話をしただろう。
だからこそ私たちは覚悟していた。
活躍した選手が上に行くのは決まり事のようだし毎年恒例の事だからと覚悟していた。
それなのにツイッターを開いて、彼の写真にあるロゴが黄色になったのを見たとき、不思議なもので全く言葉が出なかった。
あーぁ、やっぱりなとそれだけ思った。
仕事帰りのバスの中、仲間隼斗がファジアーノ岡山に出したコメントを読んだ。
途端にこれまでのたくさんの思い出が蘇ってきて、そしたらもう涙止められなかった。
サッカー選手やめなくてよかったね。
目標としていた舞台の柏レイソル日立台で今季のあなたのように、たくさん活躍されることを祈っています。
あなたの「全力」「がむしゃら」「ユニーク」を活かしてあなたらしくいれば、きっと輝けるはずです。
少し時間がかかると思うけれど、仲間隼斗という選手がファジアーノにいた時間が、キラキラと輝いたすてきな思い出になる事と思います。
あなたのおかげで、幸せなサポーターでした。
たくさんの感謝をこめて
ありがとうございます。
これからも応援しています!