その事が起きている真っ最中は、
目の前で繰り広げられる光景を、私の知らない遠い世界の事みたいと思って見ている自分と、
浴びせられるたくさんの言葉に、どんどん打ちのめされていってる自分の2人がいた
恥ずかしさと怒りと悲しみが、延々繰り返される地獄
でもちょうどその日
救世主なんじゃないかと錯覚してしまうくらい
美しい歌声に出会った
その歌声には不思議な力があって、なぜか心が安寧し、とても深く眠る事ができた
そして翌朝、目がさめると
すーっと血の気が引いていくみたいに
いままで固執していたものには、大した価値がなかったのだと悟った
だからといって清々しいわけではない
長い時間をかけて積み重ねてきたものを
こんなに短い時間で消し去ることはできない
だけどいま、心の中でうずき出したこの、なんとも例えようのない感覚は
昨日までは1mmもなかった感覚だ